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大学職員の仕事は楽勝だというイメージへの私なりの解釈(後編)

「大学職員の仕事は楽勝だ」という世間的なイメージに対して、前編では客観的要素(すなわち、仕事そのものの難易度)からアプローチを試みました。仕事そのものの難易度は個々人がどのような目標を立てるかで決定されるものであり、大学職員という職種を一括りにして難易度の高い低いを語れるものではない、結論としてそのようなことを述べました。 後編では、前編で述べた客観的要素と対をなす観点として、主観的要素(すなわち、仕事を通じてもたらされる精神的負担)から大学職員の実像を語ることができればと思います。以下本文となります。


次に、仕事の大変さを構成する2つ目の要素として、仕事を通じてもたらされる精神的負担(ストレス)について着目していきますが、こちらも民間企業と全く事情は変わりません。 仕事のストレスというものは、ほぼ100%と言ってもよいほど、直接の上司や同僚との人間関係に起因します。どんなに仕事の目標を高く設定したとしても、目標そのものに苦痛を感じることはありません。その目標を達成できなかったときの上司の顔が目に浮かぶからストレスになるのです。アドラー心理学では「人間の悩みの全ては人間関係が原因である」とさえ言っています(ちなみに、有名な「7つの習慣」もアドラー心理学の応用です)。もしも目標未達成を笑って許してくれる上司ならば、営業成績が日照り続きでもストレスになどなりません。

このように仕事のストレスは人間関係が原因であるという点に着目すれば、民間企業と比べて大学職員はストレスが少ないという根拠など何もありません。むしろ学校という組織はハラスメントの温床だとすら私は思っています。 山形大学の調査によれば、我が国の大学の7割は単一キャンパスで運営を行っており、また、複数キャンパスを持つ大学においても法人機能は本部キャンパスに集中します。さらに、大学事務局の組織規模はかなり知名度の高い大学であってもせいぜい300~400名程度であるため、人材育成目的で計画的に部署をローテーションさせることが行いづらく、同じ部署に縛られ続ける職員も珍しくありません。これが何を意味するかと言えば、大学職員の離職率の低さも相まって、閉塞的な環境下で固定的な人間関係が長期間にわたって継続するということです。このような環境下で上司や同僚からのハラスメントを受けることになろうものなら、もはや退職か休職以外に逃げ道などありません。大企業が広い檻ならば、大学職員は非常に狭い檻なのです。 さらに、同じ事務職員である上司や同僚との人間関係に加え、教員や学生、場合によっては保護者も含め、利害関係の調整弁として板挟みになることも珍しくありません(代理戦争の最前線に立たされるような感覚です)。

前述した仕事そのものの難易度については目標設定を見直すことでコントロール可能ですが、人間関係にまつわるトラブルは自分だけの問題ではありませんから、こちらの方がむしろ厄介な問題かと思います。 こうしたストレスを抱えないために大切なことは、結局のところ自分の立場は自分で守るということであり、言い換えれば、「攻めの人間関係」を築けるか否かがポイントとなります。もちろん、「攻め」と言っても攻撃的になるということではなく、自分の立場を相手にも尊重してもらえるような人間関係を構築するという意味です。

本稿のタイトルに掲げる「大学職員の仕事は楽勝だというイメージへの私なりの解釈」をまとめますと、一本道のキャリアを登り続ける民間企業に比べれば、大学職員という仕事は私にとって楽(しい)であり、この仕事が大変だとか嫌だなどと思ったことは一度もありません。ただし、そこには易しいという意味での「楽」はありません。どんなに頭を使い、手を動かしても、大学という樹木はなかなか花を咲かせてくれません。「大学職員は楽勝だ」という感覚からは程遠い、それが私なりの解釈であることを書き留めておきたいと思います。

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