私は大学職員として年に何度か、仕事の都合で他大学を訪問することがあります。すでに相手方の担当者と顔なじみになっているケースもありますが、初対面の相手と名刺交換からスタートするという場面も少なくありません。
そうしたとき、いきなりビジネスの話題を切り出すのも唐突ですから、お互いに打ち解けた雰囲気でコミュニケーションができるよう、ちょっとした世間話というか、いわゆる「ドアオープナー」となるような会話が求められます。
そのような状況で私が多用している「鉄板ネタ」が、相手の大学のロケーションを褒める、ということです。
どのように褒めるかは大学によりますが、慶應や明治であれば学生街、青学であればキャンパスの雰囲気などでしょうか。その大学の職員が誇りに感じているような点を持ち上げるわけです。
相手の大学を話題に出せば、自然と自分の大学のことにも会話が広がりますので、最初は浅いところから様子を探り、次第に専門的なところにも突っ込んでいきます。
そのような会話を5分も続ければ、同じ大学人として気心の知れた人間関係が出来上がるというわけです。
さて、上記のようなテクニックは大学職員どうしの会話だけでなく、大学職員の採用面接でも活用可能と思われます。
例えば、面接開始時に面接官が受験者の緊張を和らげようと世間話を持ちかけてくるような場面もあるでしょうし、次の選考に進めてあげたい受験者との面接は砕けた雰囲気で行われるケースもあります。
そうしたときに、対大学職員の鉄板ネタを予め用意しておけば、面接官とのコミュニケーションも滑らかになり、志望動機などの自己アピールにおいても自分本来の力を出し切ることができるでしょう。
どれだけ完璧なエントリーシートを書き上げて、面接での対応をシミュレーションしていても、面接本番の短時間で面接官との信頼関係を構築できなければ、最大限の成果を得ることはできません。
業界人どうしであれば、例えば経営計画やFD活動など専門的なネタでも盛り上がれますが、これから大学職員の採用選考を受けようという段階であれば、ロケーションや施設など、目に見える部分を話題にするのが無難かと思います。