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グループディスカッションで「タイムキーパー」が役得である3つの理由

グループディスカッション(GD)への対策について2回にわたり検証してまいりました。GDとは複数メンバーが協働することにより1人で取り組むよりも多くの成果を生み出すことが目的であり、また、GDにおける役割分担とはメンバー全員が議論に参加するための一手段である、そのようなことを述べたつもりでおります。(GD成功のポイントは「メンバー総活躍主義」GDの役割分担でおさえておきたいツボのツボを参照)
そこで今回は、GDでの役割分担にフォーカスし、「タイムキーパー」が役得である理由について論じたいと思います。

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GDでの最優先事項は「時間」である。という事実

あくまで「擬似仕事」であるGDでは、収益目標やそれを達成するための販売計画など、本来はキーファクターであるはずの定量的評価指標が軽視される一方で、納期(GDの制限時間)をまもることだけが求められます。すなわち、GDでの最優先事項は「時間」であるということが言えます。

制限時間内に結論を納品できなければGD参加者全員が共倒れになりますから、制限時間の遵守はGD参加者にとっての絶対的なルールであり、共通利益でもあります。石橋を叩いて渡るような慎重派のA君であろうと、納得するまで妥協しないB君であろうと、GDにおいては制限時間に屈服しなくてはならないのです。

その「時間」を操るのがタイムキーパーであり、虎の威を借る狐ではありませんが、時間をチラつかせながら議論の流れをコントロールすることができます。大企業で人事部長や財務部長が幅を利かせるように、その組織の「肝」を握るポジションには非常に強力な権力がもたらされます。

大切なことは、タイムキーパーは単なる時計係ではないということです。前稿(GDの役割分担でおさえておきたいツボのツボ)でも述べたとおり、GDにおける役割分担では、各自の役割を限定的にとらえないことが重要です。「自分の仕事はこの範囲だけだ」などという気持ちでGDに臨んではいけません。制限時間はGDの絶対条件だからこそタイムキーパーという役割をわざわざ設けているのであり、GD参加者は時間厳守の条件を達成するために議事進行に関する強い権限をタイムキーパーに委ねている、こうしたことを自覚しなくてはなりません。

タイムキーパーを買って出て、GD序盤でポイントを稼ぐ

GDが開始されると、「誰が司会をやるのか」という空気が場に漂うことでしょう。微妙な雰囲気の中で、役割分担が進まないことも珍しくありません。誰しも司会役が目立つことは承知していますが、初対面どうしという特殊な環境下、互いの心中を計りかねるという状況です。

こうしたときに、「役割分担ですが、私はタイムキーパーを担当したいのですがいかがでしょう?」と先制パンチを打ち込んでみましょう。他のメンバーの関心は司会役に向いていますから、快く受け入れてくれるはずです。

自分から率先して役割を引き受けることにより、2つの効果が生まれます。まず、様子見的な雰囲気を打破して、なおかつ、円滑に議事を進行しようとする自主性と協調性は評価のポイントになります。自主性だけをアピールすると「俺様」的な印象を与えますから、実は自主性を引き立てるためにも協調性は大切だということです。

さらに、タイムキーパーを自分が引き受けることで、他のメンバーには「先を越された」という焦りが生じ、その他の役割分担もどんどん決まっていくはずです。パズルのピースを1つでも埋めると未解決事項が雪崩のように片付いていくことは珍しくありませんが、そのピースを自分が埋めることができれば監督官にも強くアピールできるでしょう。

タイムキーパーの強権を発動し、司会役のお株を奪う

前述のとおりGDでの最優先事項は「時間」であり、タイムキーパーには時間の代弁者としての強い権限があります。制限時間が近づいているのに議論の方向性がまとまらないことも珍しくありませんが、そのような状況こそタイムキーパーにとってのフィーバータイムです。タイムキーパーとしての役割を果たすべく、メンバーにギアチェンジを促しましょう。具体的には以下のようなフレーズが有効かと思います。

「よろしいでしょうか。残り時間が3分を切りましたので、そろそろ結論を急ぎましょう。様々な意見が出ましたが、私はA君が提案された甲案を中心にまとめてはと思いますが皆さん如何でしょうか?」

制限時間は絶対ですから、少しばかり強引な誘導でも反論の余地はありません。また、タイムキーパーとしての役割を最大限に果たしているわけですから、その意見は尊重されるでしょう。ここまで存在感を見せつければ、もはやGDのキーパーソンとして監督官に強くアピールできることは疑うべくもありません。

以上、GDでタイムキーパーが役得である3つの理由でした。

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