GD成功のポイントは「メンバー総活躍主義」にて、グループディスカッション(以下GD)で成功をおさめるためには「メンバー全員が議論に参加すること、これがGDにおける唯一の正解であり最低条件」であると述べました。メンバーの中に一人でも議論に参加できない人、すなわち傍観者がいたとすれば、そのチームはグループワークを達成したとは言えません。
さて、メンバー全員を議論に参加できるようコーディネートするうえで有効なのが、つぎの1~5のような役割分担を予め決めておくことです。受験者は互いに面識すら無いはずですから、成り行きにまかせては成果を生む議論はできません。メンバーそれぞれが異なる役割を担うことで議論への参加機会を確保し、どのような言動によって自身の役割を果たすかを考えれば、おのずとチームワークが醸成されていくはずです。
1)司会
2)書記
3)レフェリー
4)タイムキーパー
5)発表者
役割分担を行うときに注意すべき点として、それぞれの役割を限定的にとらえないように意識する必要があります。書記だからといって、単なるメモ役だという低い意識では成果は最大化されません。書記という立場からどのようなアプローチで成果に貢献するのか、議論の行方を追いかけながら真摯に考えることが大切です。実際のビジネスシーンにおいても、「自分の仕事はこの範囲だけだ」という空気が蔓延してしまうと、その組織からは発展や創造は生まれません。
もう一つ注意すべきこととして、その人に合った役目を割り振ることです。GDにおいては試験官の目を気にするあまり、誰が司会役を務めるのかに注目が集まります。司会役は発言機会も多く、GDが成功するか否かのキーマンとも言えますが、初対面どうしのメンバーによる議論をまとめるには、高度なファシリテート能力が必要です。そのような役割を日常的にこなしている人でなければ、ぶっつけ本番でGDの司会役を見事に演じ切ることなどできません。時間が許すならば、GD開始前に簡単な自己紹介を交わしておくことをお勧めします(役割分担の参考になるような一言を添えることをお忘れなく)。
また、自分自身がGDにおいてどのような役割を引き受けるか、その場で考えるのではなく、あらかじめ考えておくことも必要です。事前に心構えをしておくことで、どのような言動で議論に貢献するかをシミュレーションすることもできます。たったそれだけのことで、他のメンバーよりも優れた貢献ができる可能性が高まります。