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大学職員へのスキルアップ支援

大学教員の指導力強化に向けたFD(ファカルティ・ディベロップメント)とともに、事務職員の能力向上を図るためのSD(スタッフ・ディベロップメント)にも注目が集まっています。大学での業務習得は基本的にOJTに任される部分が大きいものの、担当業務の枠に縛られない能力開発が必要であるという機運が高まっているのです。

各大学においては職層別研修や年次研修などの集合研修を実施したり、海外研修や早稲田大学のように大学院派遣(修士)の制度を設けている大学もあります。SDに関する取り組みは大学間でかなりの温度差があるものの、一部の大学が牽引する形でスキルアップ支援のバリエーションが広がっています。今後は賃金や福利厚生制度だけでなく、こうした能力開発制度の充実度が職場としての大学選びのキー(鍵)になっていくでしょう。

グローバル化にキャッチアップするための英語力

大学職員に求められる専門性として、まず欠かせないのが国際化への対応です。例えば、文科省は平成27年度に「スーパーグローバル大学創成支援」事業として東大を筆頭に37大学への優先的資源配分を決定し、さらに世界トップ100位内に10大学をランクインさせる目標を立てています。日本の大学はいま、グローバルを目指すかローカルを歩むかの二者択一を迫られています。言うまでもなく、少子化と過疎化が進むこの国において、ローカルという茨の道を好き好んで歩く大学など無いわけです。

では具体的に、大学における国際化とはどのような活動や業務を指すのかと言えば、おおむね次の3点ではないかと思われます。すなわち、国際的共同研究、派遣留学先大学の確保、海外からの正規留学生の拡大です。研究と言うと教員の担当分野ではないかと思いきや、出入国や滞在中の諸手続きは大学職員がサポートに回ることも少なくありません。これらの国際化事業を実らせるためには、大学職員の英語力が必要不可欠です。おそらく大手の民間企業に比べても、英語力に対する潜在ニーズは高いと言えるでしょう。

その一方で、大学職員が働く現場では、英語力に対する過小評価も根強いのです。とりわけ管理職が英語力の習得に消極的な職場環境では、「英語だけ話せても中身が無い」などと一笑に付されてしまうのです。これでは英語を勉強してやるぞ、という機運が盛り上がるはずはありません。このような大学は口先でグローバルを語りながら、トップ大学との差が開くばかりでしょう。

IR・URAという新たな専門スキル

上述したSDではコンピテンシー的な能力開発に重点が置かれているのに対して、いま大学業界で重要性が高まりつつあるのが、大学職員の専門職化です。すなわち、入学試験から卒業式まで何でもこなすタイプの大学職員ではなく、特定の領域に特化したスキルを持つ大学職員を意味します。

現在のところ、具体的に必要性が語られている専門職としては、IRとURAがその代表格でしょう。それぞれ、経営分析を専門とする「インスティテューショナル・リサーチ」と、研究振興を担う「ユニバーシティ・リサーチ・アドミニストレータ」の略語です。

いずれもアメリカでは専門職としてその地位が確立していると言われていますが、日本では最も先進的な大学において試行段階にあるような状況です。IRという言葉を初めて聞いてから裕に5年以上が経ちますが、いまだに「IRは何をする人か」すらも共通理解が得られていません。

IRとURAは未開の領域と言えるような状況ですが、だからこそ、その分野を極めることによって得られる果実、すなわち先駆者利益は大きいでしょう。大学業界で専門スキルを身につけるなら、IRとURAは未開のブルーオーシャンであるといっても過言ではありません。

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