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大学改革へのクリティカルパス

大学業界の方とお話をする際、開口一番「どうですか?」と問われれば、それは「改革は進んでいますか?」という意味である。私の情報源の一つである大学プレスセンターなどを日々チェックしていても、他大学の改革を目にしない日は無い。しかしながら、大学の生き残りが改革の主目的であるならば、改革には高校生や企業の心を鷲掴みにするインパクトが必要であり、そのレベルで改革と呼べる事例は多くない。というわけで、大学改革の舞台裏を大学職員の視点から書き綴ってみるのが本日のテーマ。例によってご関心があれば続きをお読みあれ。

中堅私大の大学改革というと、外部から見えやすい部分では100円朝食やゆるキャラ作りなどが話題になった。100円朝食については以前に当ブログでも取り上げたが、いわき明星大学の学食などは私も毎日通いたいレベルの食事が供されている。ゆるキャラ作りも愛校心の醸成という意味で狙いが分からないわけでもない。 あまり目立たないところでも、大学教育の本丸、たとえば、カリキュラム編成の見直しやFD活動など、教育の質的向上に向けた地道な活動も続けられている。こうした取り組みには全教職員が携わっているというわけではなく、一部の有志により、ほぼ手弁当で支えられている。

改革に取り組む教職員には、「頑張っているのに報われない、いつまでも成果が出ない」という焦りも多い。学内で改革勢力が主流派にならないとか、確実に変化は感じるが収穫には程遠いとか、どこの大学も似たり寄ったりではないかと思われる。こうした状況が何年も続くと、いつしか成果が出ないことが当たり前になり、行為の継続が目的化していく。「これを続けていれば、いつか芽が出ますよ」という言葉を何度聞いたことか。

改革派と言われる教職員も、けっして一枚岩ではない。社会にインパクトを与えたい人もいれば、日々感じている不満点を改善したい人もいる。補助金を多く獲りたい人もいれば、受験生を増やしたい人もいる。 同じく「改革」という言葉を口にしていても、目線の先がバラバラというケースも少なくない。改革勢力が主流派になれない原因は、こういうところにあるのではないかと思われる。

- いわゆる「改革派」の5つの分類 タイプ1)社会にインパクトを与えたい人 ⇒目指すは近畿大学。ニュースになることをしたい。 タイプ2)日々感じている不満を改善したい人 ⇒教員学生比率の改善など教育研究費の拡大。 タイプ3)補助金を多く獲りたい人 ⇒文科省・私学事業団の指示通りの改善を目指す。 タイプ4)受験生を増やしたい人 ⇒高校生や保護者にウケることをしたい。 タイプ5)やれることをやりたい人 ⇒すぐに変えられることを変えていきたい。 タイプ2には教員が多く、タイプ3は職員(法人)が主である。お互いに改革意識が高くとも、この両者が手を結ぶことはまず考えられない。政治家の党内分裂のようなものである。

上記のとおり改革派にもいくつかの顔があるが、手段はどうあれ、大学のプレゼンスを向上させる改革が良い改革なのだと私は思っている。プレゼンスを向上させれば、偏差値も学生の就職口も寄付金も後から追いかけてくる。プレゼンスとは何かという問題もあるが、目先の関心事に執心せず、クリティカルパスを見抜く眼が必要だ。

他大学での成功事例を参考にするのも一手だが、残念ながら成功の方程式は万能ではない。最近では国際教養大学ブームや補助金政策の後押しもあり、留学をウリにしようという大学が相次いでいる。2016年開設の近畿大学国際学部の成否は注目されるところだが、留学は学生個人に付加価値を付けることはできても、中堅私大のプレゼンス向上には貢献しないだろう。一部の学生にだけコストを投入するという意味では、けっして学生目線の改革とも言えない。

大学改革についてつらつらと書いてみたけれど、ご意見などあれば下記までお寄せいただければありがたい。 http://shokuinblog.com/contact/

 

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