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なぜ海辺の店で「梅おにぎり」がよく売れるのか

最近のビジネスシーンでは、「仮説を立てて実証せよ」ということがよく言われています。大学業界においても既存の方法論の延長線上で物事を考えるのではなく、新たなビジネスチャンスを開拓するための創造的な働き方が求められています。そこで本稿では仮説と実証に関する具体的なノウハウを、セブンイレブンの事例からご紹介したいと思います。

さっそくですが、タイトルにも掲げている梅おにぎりの理屈は以下のとおりです。「風が吹けば桶屋が儲かる」と同じような仕組みですが、実際にこの仮説は大当たりし、顧客から支持を得ているようです。

海辺の店で「梅おにぎり」が売れる仕組み@セブンイレブン 《先行情報》 ・明日の週末は絶好の釣り日和、昼頃には気温が上昇するだろう ↓ 《問題意識》 ・早朝から昼食を求めて来店する釣り客は何を買うだろうか ↓ 《仮説》 ・釣りをしながら食べやすいのはオニギリだ ・時間が経っても傷みにくい感じがする梅おにぎりが売れるのでは ↓ 《実行》 ・梅おにぎりを多めに発注 ・手書きPOPや声かけで釣り客にアピール

以上がセブンイレブン流の仮説と実証の具体例であり、「梅おにぎり」の種明かしです。客層、ロケーション、気候・気温を組み合わせて、一見すると全く関係の無いような梅おにぎりを買わせてしまうのですから、小説家顔負けの見事なストーリーかと思います。

一方、梅おにぎりを買ってもらうことでお店の利益につながるかというと、さほど直接的な売上増には繋がらないと思います。釣り客は昼食を買い求めに来店しているわけですから、梅おにぎりをアピールしなくても、陳列棚に並んでいる食べ物を買っていってくれるでしょう。釣り客は船上で満腹になろうとは思いませんから、梅おにぎりが売れれば、別の商品は売れなくなります。売り上げとしては、ほぼプラスマイナスゼロになるのではないでしょうか。

しかしながら、買い物をしたお客さんの心理としては、「釣りには梅おにぎりが最適」という情報を得て、釣り客に買ってもらおうとお店が大量発注した梅おにぎりを自分の意志で購入するわけですから、買い物の満足感は明らかに高まるでしょう。

セブンイレブンと大学とは全く異なる業界ですが、ユーザーから支持を受ける上で根底にあるものは同じだと私は考えています。顧客が買い物客であれ学生であれ、いかに日々のサービスを通じて「小さな満足」を積み上げられるか、日常的な関わりの中で印象的な経験を提供できるか、それが強い支持へと繋がっていくことは間違いありません。

顧客はセブンイレブンが大企業だから買い物をするのではなく、そこでの経験値が他店とは違うことを顧客は知っているのです。当然のこと、他店の経験値がセブンイレブンを上回れば、すぐさま立場は逆転するでしょう。熾烈な競争の中でコンビニ各社がサービスを磨いた結果、いまやコンビニは社会インフラの一つとさえ言える存在感を持ちました。日本から自動車産業が消え去る日があったとしても、コンビニは生き残ることでしょう。

果たして、大学はどうなるのか?私たちはそれを考えなければなりません。

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