前々号でも少し触れましたが、昨今の大学職員採用では、応募者の学歴や職歴の水準がかなり上がってきています。
大学職員志願者のハイスペ化が進んでいるため、早慶帝大なら普通に落ちます。
中途採用者のサラリーマン歴についても、日経225銘柄企業くらいでは安心材料になりません。
学歴職歴が決め手にならないワケ
恥ずかしながら、私自身も多少の自惚れから初動で躓いたため、自称ハイスペの方々に老婆心ながらアドバイスをさせていただきたいと思います。
単刀直入に言うと、
自信を持ちすぎるな
ということです。
大学職員の採用枠は、大規模な私立大学でも年に10名程度です。小規模大学や公立大学では、たった1名の枠に100名以上が応募することもあります。
高倍率より、採用枠の少なさが問題です。
最終面接で2人から1人に絞るような業界ですので、スペック以外の「Why me?」を主張する必要があります。
もし最終面接に早慶帝大が何人も残っていたら、学歴など決め手になりませんよね。
新卒採用でメガバンクの内定をキープするのとはワケが違います。採用枠が違えば選考方法も異なる、このことには注意してください。
場数を踏めるのがハイスペの利点
近年の大学職員の公募には、「なんで転職すんの!?」という高学歴・一流企業出身者がちらほら応募しています。
そのようなハイスペ人材であれば、書類落ちや1次面接落ちは少ないはずです。10校受ける中で2〜3校は最終面接まで残れるでしょう。
手堅く上位選考に残れるのが、ハイスペ志願者の最大の強みです。
就職活動は「慣れ」ですから、場数を踏むほど転職力を磨けます。これは早期内定を目指す上で、計り知れないメリットでもあります。
チャレンジャーズ・スピリット
しかし、その恵まれた環境が「落とし穴」でもあります。
学歴職歴が一流な応募者ほど、肩書で評価されることへの慣れがあります。
早慶帝大?すごいねえ
えっ、○○商事?すごぉい
友人たちや親戚から、バイト先で、就職活動で、合コンで、そんな言葉を数限りなく浴び続けてきたはずです。
したがって、「大学だって特別扱いしてくれるはずだ」という期待が、心のどこかにあるはずなのです。
このようなナメた考えはすぐに捨てましょう。
すでに書いてきたとおり、採用枠の絶対数が少ないのです。
肩書によるファストパスは、せいぜい1次面接あたりまで。そこから先は、自分自身で道を開いていくしかありません。
真剣に向き合うということ
ハイスペ志願者にありがちな失敗は、意欲より能力で評価されるべきだと考えがちなところではないでしょうか?
一流企業での勤務経験があれば、仕事の能力にもそれなりの自負があるでしょう。
どんな仕事でも、それなりにこなせる自信を持っているはずです。
実際、大学職員としての仕事を与えられれば、ソツ無くこなせてしまうでしょう。
その反面、志望動機が抽象的で、「どんな仕事がしたいか」という大学側の質問に対して、「○○がしたい」という意思表示が薄弱になりがちです。
最終面接で何度も涙を流している方は、意欲の感じられる志望動機になっているか、再確認することを強くお勧めします。