大学専任職員の応募倍率は時として100倍を超えるとも言われますが、新卒はもちろん既卒者採用においても、ほとんどの方が業界未経験者かと思います。
未経験者が面接やエントリーシートにおいてアピールすべきポイントは何か?という点について整理したいと思います。
未経験者は熱意を伝えることで経験不足をカバーする
まず、どのような業界であれ未経験者が自己アピールする際の前提があります。
それは、「経験不足は熱意でしかカバーできない」ということです。
どれだけ前職や学生時代に身に付けたスキルや経験をアピールしようとも、経験者には到底かないません。
未経験者はどれだけ事実に基づいて業界分析をしたとしても、面接官の実感に訴えるほどのリアリティはありません。
例えば、大学で3年働いた契約職員の方が、より鮮明に大学業界の現状や組織課題を語ることができるでしょう。
アタマで考えても経験不足はカバーできませんから、無理に「即戦力」をアピールするのは得策ではありません。
未経験者だと臆すことなく、いや、未経験だからこそ、熱意を伝えることを意識しましょう。
「そこまで調べたのか!」と面接官を唸らせる
そうは言っても、経験不足は熱意でカバーするにも方法は一つではありません。
体育会系のノリと勢いでゴリ押ししていくのも、時と場合によっては有効かもしれません。面接という人間どうしの語らいの場では、意外にむき出しの表現方法が人間の感情を揺さぶるものです。
一方で、ノリや勢いに頼らずに熱意を伝えるためには、入念な事前準備こそが最善の方策となります。
口先でどれだけヤル気をアピールしようとも、その大学について何も知らないようでは、言葉の真偽すら怪しいというものです。
「そこまで調べているのか!」と面接官を感心させることができれば、派手なパフォーマンスなど無しに、本気で就職したいのだという熱意が伝わるはずです。
もちろん、大学マニアのようになんでもかんでも暗記する必要はありません。
自身の志望動機に関連する部分だけでOKですから、少なくともWebに公開されている情報には隈無く目を通してください。
実際に大学に足を運べば、入試広報や学内報なども手に入るでしょう。
そうした刊行物の名称などがスラっと言えるレベルになると、面接官から「彼は大学のことをよく知っているナ」と印象がアップするわけです。
希望職務とキャリアパスで将来性をアピールする
大学業界は教員であろうと職員であろうと、基本的には「ポテンシャル採用」です。民間企業の新卒採用ではお馴染みの採用方針ですが、その人の将来性(ポテンシャル)に期待して採用するわけです。
自身の将来性や「伸びしろ」を意識的にアピールしていくことが、内定獲得のためにとても重要です。
選考試験に臨むにあたっては、希望職務とキャリアパスは明確にしておきましょう。
「やれと言われれば何でもやります!」のようなタイプでは、明日一日に限れば便利な労働力ですが、10年後にどう成長していくのか期待が持てません。
面接官に自身の「成長ストーリー」をイメージしてもらうために、少なくとも希望職務やキャリアパスをガチに語れる必要があるのです。
スイスの哲学者アンリ・フレデリック・アミエルが「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる」と言ったように、やはり明確な意思こそが将来を開くのではないかと思います。
新聞購読は必須、全国紙なら読売新聞がベター
前提として、大学業界に就職するならば新聞は購読するようにしてください。
面接の場で「今朝の新聞記事で記憶に残ったものはありますか?」という質問が普通に出されたりします。
こんな馬鹿みたいな質問あるかと思うかもしれませんが、既卒者採用でも聞かれたりするので注意してください。
「ニュースはネットで見てるんで」は、大学人には通用しません。
また、社会人であれば日経新聞を購読している人も多いかと思いますが、日経新聞は教育関連の記事には力を入れていないので、「大学の実力」など情報力に定評のある読売新聞が情報源としてはベターかと思います。