ビジネスパーソンにとって相棒とも言える不可欠なアイテム、それは手帳。大学職員をビジネスパーソンと呼ぶのかは置いといて、日常的に100人以上の教職員とやり取りをしているため、雑多な予定の多さでは他業界に引けをとらない。こうした仕事を円滑にこなすため、自身も数種類の手帳を使ってきたわけだけど、そのあたりの話題が本日のテーマ。例によってご関心があれば続きをお読みあれ。
かつて私が使用してきた手帳の中で、かなりのレア物と言えるのがシステムダイアリー(通称「SD手帳」)だろう。 SD手帳をご存知とあらば、なかなかの手帳マニアかと思われる。SD手帳は1968年に開発された日本初のシステム手帳として、手帳の歴史にその名を残している。バインダーでリフィルを綴じるタイプの手帳の先駆けである。かつてはノーベル物理学賞の湯川秀樹氏も使用していたという。 一方で、このSD手帳、流通ルートがかなり限られており、amazonはもちろん、一般的な書店や文具店では販売されていない。それゆえ、知る人ぞ知る古(いにしえ)のマニア手帳なのだ。 システムダイアリー http://system-diary.jp/ SD手帳の先進性は、カードファイリングシステムによる情報のモジュール化にある。 昔の図書館にあった図書目録を思い出してもらうとイメージしやすいが、1枚1枚のカードにメモを記入することにより、情報を分類し整理することができる。 日常的にパソコンを利用している人は、フォルダで分類しながら電子ファイルを保存していると思うが、それをアナログで行っているようなイメージである。パソコンが家庭に普及する30年も以前に、今日にも通用する情報の整理方法を手帳に導入したのだから、当時としては非常に先進的な製品であったと思われる。 また、SD手帳及びリフィルの大きさも手頃なカードサイズで設計されており、専用のカードケースに保管すれば、検索性はなかなかのものである。 感覚的にではあるが、情報管理ツールと検索性の関係において、SD手帳は300件程度の情報管理に適しているのではないかと思われる。以下に、管理する情報量(件数)と、適切な情報管理ツールを示してみた。 500件以上 EvernoteやOnenote 300件まで SD手帳 10件まで 手帳の余白やスマホのメモ帳など さすがに500件を超えるようなデータベースになると、人間の目で情報を検索するには無理があり、パソコンやスマホの情報管理ソフトが必要になる。当ブログの読者にもEvernoteを使っている方がいるであろうし、クラウドの発展によりOnenoteの使い勝手も飛躍的に向上した。 しかし、300件程度の情報量の場合、感覚的あるいは手の感触などにより、アナログ的な情報管理が有効だったりする。名刺管理のような場合においては、必要なグループだけ抜き出したり、机の上に並べることも可能だ。 一方で、昨今ではインターネットが主要な情報源となり、自前で情報を保管して検索するよりも、必要なときにググった方が早いというケースも多い。アナログの最大の欠点は情報作成時の労力(=手書き)であり、SD手帳にとっては難しい時代となった。 という感じでつらつら書きつつ、次回もよろしくお願いします。