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大学ポートレートの終着点

インターネットが当たり前のように普及し、いまや中高生でもスマホ経由でネットにアクセスできる時代、大学に関する情報など瞬時に入手できる。そんな時代の変化に乗り遅れたのか乗る気が無いのか、国策による大学情報サイト「大学ポートレート」が2014年4月に開設された。今回は、大学ポートレートの開設から1年が経ち、どんな状況になってしまっているのかに触れてみたい。例によってご関心があれば続きをお読みあれ。

まずは大学ポートレートへのリンクをご紹介。

大学ポートレート(大学評価・学位授与機構版) http://portraits.niad.ac.jp/ 大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団版) http://up-j.shigaku.go.jp/

大学ポートレートへの入り口は上記のとおり2つある。URLのドメインが違うことから想像できるように、サイト運営者が異なる。 前者は独立行政法人大学評価・学位授与機構によって、後者が文科省所管の特殊法人、日本私立学校振興・共済事業団によって運営されている。 「大学ポートレート」で検索すると、上記のサイトが両方ヒットする。片方はフィッシングサイトというオチなどなく、両方ホンモノなのでご安心を。 利用者にとっては困惑するばかりであり、残念なお役所仕事の典型例かと。 このようにネット時代の非常識を地で行く大学ポートレートであるが、いったい誰がこんなものを発案したのか、それが分かる資料がこちら。

大学における教育情報の活用・公表に関する中間まとめ http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/44/toushin/1310842.htm

こちら、文科省が設置した「大学における教育情報の活用支援と公表の促進に関する協力者会議」という気の遠くなるほど長い名前の会議が平成23年8月に発表した中間まとめ。 この中間まとめが発端となり、以下の3つの目的から大学ポートレートが作られることとなった。

1) 大学が,教育情報を,自らの活動状況を把握・分析することに活用。 2) 大学の多様な教育活動の状況を,大学教育に関係・関心を持つ国内外の様々な者に分かりやすく発信。 3) 基礎的な情報について共通的な公表の仕組みを構築し,大学の業務負担軽減。

そして、運営開始から1年後の2014年3月に大学ポートレートへのアクセス数が大学評価・学位授与機構から公開された。 なんとトップページへの1日平均アクセス数が543件とわw ちなみに当ブログのトップページへのアクセス数は5752件(2015年3月2日調べ)。

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なぜこのような惨状になってしまっているのかというと、実際に大学ポートレートを見てみると理由がよく分かる。残念ながら早稲田大学は大学ポートレートをガン無視wしているようなので、慶応義塾大学のページへのリンクがこちら。

大学ポートレート 慶応義塾大学 http://up-j.shigaku.go.jp/school/category05/00000000260401000.html

すこし画像があらいけど、画面キャプチャを貼ってみた。パッと見で分かるとおり、気持ちいいくらいに中身スッカスカw これじゃ大学ポートレートなんか見ないよね。最初から大学のウェブサイトを見るさ。

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また、大学ポートレートのデータ項目には、中退率や卒業率が含まれない。「数字がひとり歩きする」との理由で項目から外されたらしい(ネタ元はこちら)。中退率なんて数字以外の説明など要らんと思うが。 さらに、大学ポートレートに掲載されるのは「学生数」や「教員数」などの一次データのみで、それらを加工した「学生教員比率」などは含まれない。数だけ載せても良し悪しを判断できないと思うが、お役所的にはノープロブレムらしい。 あと、大学ポートレートの作成目的(前述)に「大学の業務負担軽減」が掲げられているけど、各大学が大学ポートレートの情報を更新するためのシステムが、私立大学等経常費補助金と同じシステムにぶっ込まれており、使いづらいことこの上なし。各大学が同一のシステムを使うので、セキュリティもややこしい。 読む気が失せる長いマニュアルも正直ツラい。facebook感覚で更新できるようにするのが当たり前の感覚だと思うが。それでも気を奮い立たせてマニュアルを開くと、ブラウザの起動方法とか写真付きで説明されてるし。これには萎える。 全国の大学関係者が同じような不満を感じているのではないかと。でも、補助金給付団体である日本私立学校振興・共済事業団に文句を言う人などいないだろうなあ。いたら勇者、いや、困った子だろうw 運営者である大学評価・学位授与機構と日本私立学校振興・共済事業団は、大学ポートレートの現状をどのように考えているのだろうか。 2018年問題を目前に私立大学は大学広報に心血を注いでいる。お役所仕事丸出しのセンスナッシングな大学ポートレートは、大学や高校生・保護者の利益になるどころか、周回遅れで取り残された残念な子かと。 撤退シナリオの検討に着手すべき時期ではないかと思われてならない。 という感じでつらつら書きつつ、次回もよろしくお願いします。

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「大学とは何か」という書名のとおり、歴史的・法律的・文化的なアプローチから、「大学」のアウトラインを描き出した名著。前提知識無しに読める敷居の低さも推奨の理由です。