大学業界への転職を検討中の方であれば、求人情報の収集には余念が無いことと思われる。いまや大半の大学における事務職員の採用は公募制となっており、大学業界への扉は広く開け放たれていると言ってよいだろう。求人情報さえ手にできれば、誰もが大学業界への就業機会にアクセスすることができる。
一方で、一部の大学においては、公募情報の掲載から締切まで1週間程度など、本当に公募の意志があるのかと眉唾ものの人材募集もあり、求人情報の質は必ずしも一定ではないと思われる。
それに対して、やはり大手求人サイトに掲載される求人案件は、そこに求人情報を掲載するだけで多額の出稿料がかかることもあり、採用する側の本気度は間違いないと言える。そこで今回は、大手求人サイトにおける求人情報の掲載費用について実態を調べてみることにした。
上の表は大手求人サイト「リクナビネクスト」の求人掲載費用である。
最低18万円から、最高180万円までのプランが用意されている。
表の見方は、数字(1~5)が増えるほど求人ページの情報量が多くなる。また、掲載期間は2週間が基本だが、アルファベットの「L」が付いたプランでは4週間となる。より詳細な情報はこちらを参照。
求人広告費用は概ね30万円程度
さらに具体例を出して、実際に各大学が支払っている費用を検証してみる。
画像が小さくて申し訳ないが、下の画像は以前によく公募を実施していた大学の求人ページの抜粋である。
職場を紹介する写真が3枚と、社員インタビュー1名分が掲載されている。
この広告スペックだと上表の「N2」に該当し、掲載期間にもよるが概ね30万円前後のコストとなる。
この大学は募集職種ごとに採用ページを分けていたので、毎月数十万から100万近い掲載費用をかけているのではないかと思われる。
大学業界に関して言えば、上記の「N2」ないしはベースプランの「N1」の利用が中心となっている。
全くの他業界ではあるが住宅メーカーの某工務店さんなどは、上表で「N5」の求人ページをいくつも掲載しているので、毎月1000万円程度の掲載費用を支払っているものと思われる。
このように大学業界の採用活動をコストの面から検証してみると、一般企業と同じ土俵で、多額の費用をかけているケースがあることが分かる。もちろん、その費用は「本気度」の裏返しでもある。
冒頭でも触れたが、一部の大学では、応募期間が非常に短い求人情報を自校ウェブサイトにのみ掲載するなど、公募の意志が怪しい人材募集が少数だが存在した。一方、小規模であっても、大手求人サイト経由で公募を行っていれば、それはガチ公募と判断してよいだろう。