就職・転職活動を進めるなかで運・不運は付き物ですが、内定獲得を左右する最大の運要素と言えば「面接官との相性」ではないでしょうか。典型的な圧迫面接や底意地の悪い面接官は別として、「こんな面接官は嫌だ」というタイプを、自分自身の経験から振り返ってみたいと思います。
エントリーシートと無関係な質問をする
わたしはこれまで新卒・既卒として多くの採用面接を受けてきましたが、やりづらい面接官の筆頭は「エントリーシートと無関係な質問をするタイプ」でした。
実際にわたしが受けた突拍子も無い質問としては、「将来の夢は何ですか?」という無茶ぶりもありました。このときは、「まずは自立した大学職員として貢献することが夢です」というようなことを答えたと思いますが、もしも慌てて「起業したい!」みたいなことを言ったらアウトですね(汗
そもそも採用面接というものは、エントリーシートに沿って話を進めるのが基本です。受験者側はエントリーシートという「台本」を用意して面接に臨んでいるわけですから、エントリーシートに書いていないような想定外の質問で奇襲をかけられると本当にペースが乱れます。
その場の機転でソツ無くかわすのが地頭の良さなのかもしれませんが、こうしたタイプの面接官に当たってしまうと、地雷を踏まずに面接室を出られるかは運次第と言わざるをえません。
受験者のアピールにならない話題に固執する
特に転職希望者の場合ですと、「なぜ前職を辞めるのか」という質問は避けられないでしょうし、わたしも「いまの会社を辞めるのはもったいない、わざわざ辞める必要はないんじゃない?」という感じで執拗に追及を受けました。
こうした「ネガティブ情報」が採用サイドにとって気になることは理解できますが、どれだけ無難に受け答えをしたところで、これっぽっちのアピールにもなりません。せいぜい20分や30分という限られた時間の中で、志願者は次のステップに進むためのアピールをしなくてはならないわけですから、無益な話題に時間が費やされるのは不利益でしかありません。
あまりに粘着タイプの面接官に当たってしまったら不運としか言いようがありませんが、そのようなケースに対応するための想定問答も用意しておいた方が無難かと思います。
助け船を出してくれない、話を引き出してくれない
面接官の基本的な役割は「相手の良い部分を引き出す」ことです。採用面接での具体的な行動例としては、言葉に詰まった志願者に助け舟を出してあげたり、アピール材料となる話題を引き出してあげることなどです。
それができない面接官は志願者を落とすことはできても、多くの志願者の中から人材を発掘する目利きにはなれないでしょう。
もしも「今日の面接はすごくうまくいった」という手応えが感じられた場合、面接官の手腕による部分も少なくないのではないかと思います。実際に私自身が内定をいただいた大学では、こうした手応えがたしかにあったように記憶しています。
面接官として当然の配慮のように思えますが、面接官の多くは関係部署長による寄せ集め部隊であることが普通です。やはり、このあたりも運不運の要素が大きいでしょう。